沖縄県探偵業界の歴史


垣間見てきた探偵の歴史


この項を、ご覧頂いている方は初めての探偵選びでお悩みの方だと思います。
こちらでは私共が長年に渡る社歴の中で垣間見てきた沖縄県探偵業界が現在に至るまでの歴史を、ご紹介したいと思います。

皆様に探偵と言う職業を知って頂くためには、沖縄県探偵業界の歴史を理解していただくことが最良であると判断し掲載に至りました。

業界の過去を知ることは探偵を選ぶ上で参考に必ずやなると思います。
長文ですが、お読みいただければ幸甚です。


プロローグ

沖縄県の探偵業界の明確な歴史は平成元年に内閣総理大臣(国家公安委員会)の許可を受けた「社団法人日本調査業協会」に加盟する沖縄県調査業協会が設立されたことから始まります。

この協会が設立される前の県内の探偵業者は各々が好きな時に「探偵」を名乗り看板を掲げるだけで探偵になれました。

公安委員会への届け出が探偵業法によって探偵業者に義務付けられたのは、それから更に年月を経た平成19年6月です。

当時、探偵という職業は専門的な知識や技術といった、いわゆる業務上のノウハウが確立されていない上にモデルとなるような企業も存在しておらず、現在では調査上の必須アイテムである携帯電話やインターネット、それに付随するGPS及び高性能撮影機器等の普及もしていない状況での運営でした。

当社は昭和55年に設立しましたが、当時は県内法人における社員による思想問題が多発していた事を背景に運営方針は身元/信用調査・人事調査を中心に取組む予定で、浮気調査についてはその業務の対象外でした。

創業者は、そうした社会問題を中心とした業務に取り組むことに意欲を見せておりましたが、その思惑とは裏腹に開業直後から「浮気調査」の依頼が舞い込むようになり当社も他の探偵業者と同様、手探り状態の中で現場に入ることになりました。

幸いなことに当社には創業者を慕い沢山の警察関係者が出入りされておりましたので、その方々から調査における尾行張込みといった基礎技術等を厳しく指導を受け、ある程度の調査(捜査)能力を身につけることができました。

しかし、実際の現場では公権を持つ警察官と民間の探偵とでは、その調査手段に明らかな違いがあることが体験を通して実感することができました。

決定的に違うことは民間の探偵には「依頼者」の存在があるということです。
仕事を失敗すれば、即、依頼人に迷惑をかけるだけでなく、会社の信用を失墜する恐れがありました。
それを避けるため現場の調査員等は必死で任務に取り組み、そのスキルは格段に向上していきました。


探偵の歴史の始まり

「沖縄県調査業協会」が設立されたのは当社が開業して8年後でした。
その当時も現在と同様 探偵業者間に横の繋がりは一切なく各業者が各々の経験だけで探偵業を営んでおりました。

県内の大半の探偵業者は依頼者の需要が多い、ある程度の能力さえ備わっていれば誰にでも簡単に出来そうな「浮気調査」の依頼を主に請け負っておりました。

※ 浮気調査=行動調査ですが、実はこの誰にでも簡単にできそうな調査は探偵の基本となる忍耐・推理力・調査技術等々、探偵が必要とする資質的要素が備わっていないと依頼が完遂できない調査です。
資質のない人物がこの調査を安易に請け負うと結果如何で依頼者に、かなりご迷惑をかけることになります。

しかし、現場の状況次第で簡単に結果が判明してしまう場合があるのも「浮気調査の特徴」の一つです。
当時の探偵も現在の探偵も需要が最も多いのが「浮気調査」です。

依頼者は「探偵」と聞けば「浮気調査ができる浮気調査のプロ」と認識しているため仕事には事欠かなかったようです。

しかし、依頼を完遂できるだけの能力に乏しい探偵業者が稚拙な倫理感で安易に依頼を請け負ったがため、依頼者が被害を被るケースが続出し、これが表面化したために探偵業界の社会的信用は急激に失墜していきました。

そのような被害が全国的に増加・続出した背景を受け、警察も放置するわけにはいかなくなり、探偵業者を一つの組織にまとめ自浄努力を促すことを目的として設立されたのが沖縄県調査業協会でした。

人権問題にデリケートな現在では考えられないことですが、県内で開業していた探偵業者16社が沖縄県警指導の下、半ば強制的に民間団体の沖縄県調査業協会への加入を推し進めました。

その沖縄県調査業協会の初代会長が当社の「創業者 伊佐義一」でした。
那覇警察署長を歴任し、ある程度の知名度と実績があったことが会長の指名に至った主な理由です。

当時、協会に加入した業者は各々のスタイルで営業している方々でしたので探偵業者間の情報交換もなされておらず、その実力は実績共に未知数な状況でした。


古き体質の探偵業者

協会発足後の苦情等は、ある程度懸念していたものの実体は不明のまま沖縄県調査業協会はスタートしました。
その後、その懸念が現実のものとなります。

協会が設立されてしばらくすると以前から悪評が聞かれていた能力的に劣る探偵業者の苦情が少しずつ依頼者から寄せられるようになりました。

協会発足後、一年以上経過しても苦情は止むことがありませんでした。

当時は現在のように浮気調査に不可欠なGPSやインターネット、携帯電話や高性能撮影機材もなかったため調査能力に欠ける探偵の実体が協会の存在により明らかになっていきました。

協会加入の業者が依頼を受注すると苦情が寄せられるというレベルの低さでした。

苦情処理は直接会長が行いましたが協会会長とは言え裁判官の様に法的な権限があるわけではありません。
苦情を受けた業者に対しては事務局において事情を聴取し注意程度で済ませ、特にペナルティを課すことはありませんでした。

協会が執行できる権限は「会員の除名」だけですが、依頼者と探偵業者との間で「秘密裏に交わされた約束事」を第三者の立場である協会が事実確認することは極めて困難だったからです。

そのため苦情を出されたお客様に料金を返還や減額させるということはありませんでした。
当時、苦情があった探偵業者の弁明の殆どが「今後は、お客様に誤解を与えないように精進します」に終始しておりました。

あくまでも苦情は「お客様側の誤解」と言いたかったのです。

その後も協会は業者に代わって、お客様に謝罪をする日々を続けながら業者への注意勧告を推し進めましたが改善には至りませんでした。

改善されない最大の理由の一つに探偵という業種が単独行動を得てとする気質が要因していると推測されます。

探偵業者個人に能力や人格に多少問題があったとしても悩みを持たれているお客様から依頼を受けて問題を解決するプロであるという自意識が過剰であるため協会からの助言や注意喚起を即されても、それを受け付けない性根が改善や反省という意識に至らなかったのだと思います。


密室の約束事

しかし、なぜ依頼者は、そのような能力が欠落している探偵を見極めきれなかったのでしょうか?・・・ 依頼に当たっては依頼人と探偵との間で秘密厳守が大前提となります。

依頼者は、ご自身の秘密を探偵に打ち明けるため秘匿性を重んじます。
探偵は能力的に問題があっても肩書きは自称プロです。
仕事の失敗を繰り返していても一応は経験者、普通に過ごされている方より「浮気・不倫」に関する話題と想像力だけは豊富です。

お客様から見ると頼りがいのある存在に思え、一旦は信用してしまいます。
しかし、お客様が、その探偵の能力不足に気が付くのに、そう時間はかかりません。
料金を支払ったまま納得できる報告は得られず「騙された」という結果が待っています。

そして、また所属協会へ苦情がくる。
その繰り返しでした。


勘違いした探偵達

そのようなことが続くと苦情が多い業者は「協会に加入していても文句を言われるばかりでメリットは何もない」と判断し退会することになります。
この退会していった業者は協会発足の趣旨を曲解しており、協会に入会すれば信用され客が増えると考えていたようです。

しかし、信用を築くのは協会ではなく、お客様と直接対峙する会員業者です。
加入業者が襟を正せば、お客様から信用を得られ協会の存在が初めて認められていくのです。
当時は襟を正すことができない業者の数が多すぎました。

運営の改善を怠り苦情の多かった業者は、こうして次々と退会していきました。
結果的に退会後も体質は変わらないまま運営継続していくのですが、その後も、その業者等の苦情が協会に寄せられました。

非加盟員とは言え、一度は協会に加入していたため協会側から、その業者へ依頼人から苦情があったことだけは伝えました。
その後、その業者等は廃業していきました。


教会崩壊

紆余曲折が続いた期間でしたが結果的に多少の自浄化は達成されたと思っています。
それから協会発足後五年で加入業者は淘汰され8社が残るだけになりました。

しかし、 残った業者が優良であったかというと残念なことにそうではありませんでした。
当時、会長であった伊佐義一が多忙になったこともあり、後進に道を譲る形で会長職を辞することになりました。

第二次協会体制がスタートしましたが、これが沖縄県調査業協会崩壊の始まりでした。

その後、協会内部で不祥事が続いたことから数年後の某日、会員一同が集まり会議が行われ第二次沖縄県調査業協会は事実上消滅しました。

現在の沖縄県調査業協会は発足当時から数えて第三次ということになります。
現加入業者は2社のみになり、会発足当初より激減しました。

沖縄県調査業協会は現在も県内探偵業界の正常化に向けて孤軍奮闘されているようですが、過去の亡霊達が残した傷跡があまりにも大き過ぎることから協会が成長し社会的に認知される目処は現在のところ立っておりません。


そして現在の探偵達

現在営業中の探偵業者も協会加入に対するメリットが見いだせず、各々の企業努力で運営継続に邁進するスタンスを執っています。

当社は沖縄県調査業協会から協会へ再加入するよう勧められていますが、現状を見る限り現在の探偵業者が一つの組織に纏まることは想像もできませんし、仮に出来たとしても、ここまで野放しになった業界では25年前と同じような歴史を繰り返すだけだと思い固持しております。

当社は創業者が作り上げた意志の継承と、その名誉を守ることを社是としております。

但し、現在は25年前に存在していた信用性のない探偵・調査業者は廃業していますので、ご安心下さい。

現在、現役で活躍されている探偵業者は苦情処理に追われていた当時の沖縄県調査業協会とは関わりを持たずに新しく開業された方々です。
信頼できる協会がなければ自らの努力で信用と実績を構築するという発想も頷けます。

しかし、このことから鑑みますと探偵業界は相変わらず個人体質であると感じております。
現在の沖縄県探偵業界の実情は業務上の情報交換やスキルアップのための県内探偵業者同士の連携は殆どありません。

個人体質のプロの探偵というライバル同士が、お互いの手の内を明かして技術・資質向上を図ろうとすることは有り得ないからです。

しかし、25年前と違い現在は調査に必要な機材が極めて豊富で形状を含め、用途に応じた特性を活かした機材もかなりの数あります。
その情報を入手する手段もあります。

その機材等を駆使すれば調査のレベル・質共に向上し、依頼者からの信用性はかなり増します。
従って、現在の探偵業者に調査能力の差は殆どないと思っております。

逆を言えば技術的に飛び抜けた業者もおりません。

これは当社の長い実務経験の中で実際に再調査依頼の際、調査報告書等を拝見しておりますので分かります。
25年前の探偵と違って現在の探偵業者は失敗を繰り返したりはしていないと思っております。

しかし、残念ながら依然として旧体質の探偵業者が存在しているという事実は間違いありません。
これを探偵業界にいる立場の人間としてお客様へ、どう正しくお伝えすれば良いのか?
これが業界にいる人間の課題です。

実体を知っていても、その業者を名指しで非難するわけにはまいりません。
抽象的な言い方になりますが、その業者は旧泰然の時代に乗り遅れた探偵業者です。
25年前と同じように時代の変化に乗り遅れたため一般社会が変化していることを理解しようとせず、相変わらず「密室に閉じ籠もり」お客様を欺き続けています。

しかし、そういう業者に捕らわれてしまうのが情報に疎いお客様達です。

25年という年月が流れ時代が変化し探偵の調査技術は機材によって飛躍的に進化、向上しました。
以前ほど、お客様に、ご迷惑をおかけする探偵業者は現在、それほど多くありません。

個人体質は相変わらずですが、それなりの誇りと意地を現在の探偵業者は持っていると思います。
そのことを裏付けるように、ここ5年ほどは他社から流れてくる再調査の依頼も年に2.3件と数が減っています。

現在、時代の変化に適応できている探偵業者同士は私共も含めて互いを監視しあっている状態にあります。
探偵業者が依頼者の意向や要望を無視した調査を行うと、その業者の情報は狭い沖縄ですから、すぐ耳に入ってきます。
そのことを県内探偵業者は十分認識されていると思います。

今後、我々の業界はお客様の要望を真摯に受け止め最新情報の入手や特殊機材の運用等に関する企業努力を怠らなければ探偵業界の底上げと社会的な立場は自ずと確立できると確信しております。